世界のマジシャン名鑑
19世紀の近代奇術の父から現代のワールドチャンピオンまで、世界のマジシャンを時代・国・ジャンルから引ける日本語の名鑑。生没年と実績はすべて出典付きで検証しています。
- 35人を収録
- 6つの時代
- 10の国・地域
- 1750–2026年の歩み
このサイトでは種明かしをしません
マジックのタネや仕掛けの解説は一切掲載していません。知らないまま驚けることこそが、この芸のいちばんの価値だと考えているからです。
時代から探す
手品が劇場の芸術になり、テレビを経て、また手の届く距離へ戻ってくるまで。時代ごとに何が変わったのかを追えます。
- 1700–1800 市と宮廷の時代 専用の劇場がまだなかった時代。奇術師は市(いち)の小屋掛けと、王侯の館とを行き来して演じた。芸を売る相手は群衆か貴族かのどちらかで、その中間にある「切符を買って観に来る観客」はまだ生まれていない。
- 1800–1880 近代奇術の黎明 大道芸や見世物だった手妻・奇術が、劇場の芸術へと姿を変えていった時代。演者は魔術師の扮装を脱ぎ、紳士服で舞台に立つようになった。
- 1880–1930 マジックの黄金時代 大劇場を巡業する大掛かりなショーが世界を席巻した時代。マジシャンは国際的なスターとなり、日本の一座も欧米を巡演した。
- 1920–1970 技芸の洗練 大仕掛けより「演者の手と間合い」が問われた時代。至近距離の芸と、無駄を削ぎ落とした舞台演技が芸術として確立した。
- 1960–2000 テレビとショーの時代 テレビ中継と大型特番が、マジックを一夜にして全国の茶の間に届けた時代。観客の規模が桁違いに広がった。
- 1990– 現代 至近距離の芸が再び主役に戻り、オーディション番組や動画配信を通じて新しいスターが生まれ続けている時代。
各時代を象徴する一人
まずはここから。5人を追うだけで、200年の流れの骨格がつかめます。
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🇮🇹 1750–1803 ジュゼッペ・ピネッティ Giovanni Giuseppe Pinetti(仏名 Chevalier Joseph Pinetti) ロベール゠ウーダンより半世紀早く、奇術を宮廷の芸に引き上げた18世紀最大の演者。
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🇮🇹 1793–1863 バルトロメオ・ボスコ Giovanni Bartolomeo Bosco カップとボールの名手。19世紀前半のヨーロッパを代表した手技の演者。
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🇺🇸 1853–1932 アデレード・ハーマン Adelaide Herrmann(本名 Adelaide Scarcez) 夫の死から30年、一座を引き継いで舞台に立ち続けた「魔術の女王」。
- 🇯🇵 1889–1972 石田天海 いしだ てんかい(本名 石田貞次郎) 天勝一座で渡米し、そのまま30年以上アメリカで生きた。海外に技法を残した最初の日本人。
- 🇮🇳 1913–1971 P.C.ソーカー P. C. Sorcar(本名 Protul Chandra Sorcar) 70か国以上を巡演したインドの大イリュージョニスト。最期の舞台は北海道・旭川だった。
- 🇯🇵 1965– 前田知洋 まえだ ともひろ 手の届く距離で起こす奇跡。日本にクロースアップを定着させた第一人者。