タルマ
Talma(本名 Mary Ann Ford)

「コインの女王」。手の技術で名を成した、黄金時代の数少ない女性演者。
- 生
- 1861
- 没
- 1944-07-13
- 国・拠点
- イギリス
- 時代
- マジックの黄金時代
黄金時代のマジックは、大掛かりな装置と男性の演者の世界だった。そのなかで、手のなかの小さな金属で名を成した女性がいる。「コインの女王」タルマである。
主な功績
- 本名は Mary Ann Ford。イギリスの出身である
- ベルギー出身の奇術師サーヴェ・ルロイと結婚し、夫婦で舞台に立った
- レオン・ボスコを加えた三人組「Le Roy, Talma and Bosco」(別名 The Comedians de Mephisto Co)として長く活動した
- コインの手技を得意とし、「The Queen of Coins(コインの女王)」と呼ばれた
三人組の一角として
彼女の本名は Mary Ann Ford、1861年にイギリスで生まれた。タルマは舞台名である。
彼女はベルギー出身の奇術師サーヴェ・ルロイと結婚し、夫婦で舞台に立った。ルロイは演者であると同時にイリュージョンの設計者・興行主でもあった人物である。
さらにレオン・ボスコを加えた三人組「Le Roy, Talma and Bosco」として長く活動している。この組は「The Comedians de Mephisto Co」の名でも知られた。
コインという選択
タルマが得意としたのは、コインの手技だった。
これは当時としてかなり珍しい選択である。黄金時代の女性演者は、多くの場合、夫や座長の相方として大掛かりな演目に組み込まれる立場にあった。装置のなかに入る側、あるいは装置から現れる側である。
彼女は自分の手だけで勝負する種類の芸を選んだ。コインは小さい。隠す場所がない。観客の目は手元に集中する。その条件で成立させる技術に対して、彼女には「The Queen of Coins(コインの女王)」という呼び名が与えられた。
黄金時代において、手の技術そのもので評価された女性演者は、記録に残るかぎり多くない。
記録について
正直に書いておくと、タルマ個人についてまとまった資料は多くない。 三人組の記録や、夫ルロイに関する資料のなかで言及される形が中心である。
これは彼女に限った話ではない。この時代の女性演者は、たとえ舞台上で対等に演じていても、記録の残り方が男性と同じにはならなかった。アデレード・ハーマンの自伝が79年間行方不明だったのも、同じ構造のなかで起きたことである。
当名鑑では、確認できた事実のみを記載している。彼女は1944年7月13日に世を去った。
名前と呼び名だけが残っている演者もいる。その名前を書き留めておくことにも意味があると考えている。
代表的な演目・著作
- コインのマニピュレーション — 「コインの女王」の由来
- 三人組「Le Roy, Talma and Bosco」
年表
確認できた年のみを記載しています。
- 1861 イギリスに Mary Ann Ford として生まれる
- 1944 7月13日、死去
親子で観るときの注目ポイント
- コインの演技は道具が小さいぶん、ごまかしがききません。手だけを見ていてください
- 二人組・三人組の演目では、誰がいつ注目を集めているかに注目を
- お子さんには「小さな道具でも世界一になれるんだよ」と伝えてみてください
このサイトでは種明かしをしません
マジックのタネや仕掛けの解説は一切掲載していません。知らないまま驚けることこそが、この芸のいちばんの価値だと考えているからです。
公式リンク
出典
このページの生没年と実績は、以下の資料で確認しています。
- Talma (magician) Wikipedia(英語版)
- Mercedes Talma Magicpedia(Genii Magazine)
- Servais Le Roy Wikipedia(英語版)