ジョセフ・ダニンジャー
Joseph Dunninger("The Amazing Dunninger")

ラジオとテレビでメンタリズムを広め、霊媒の詐術を追及し続けた演者。
- 生
- 1892-04-28
- 没
- 1975-03-09
- 国・拠点
- アメリカ
- 時代
- 技芸の洗練
姿の見えないラジオで、心を読む芸を成立させる。考えてみれば奇妙な挑戦である。ジョセフ・ダニンジャーは、それをやってのけた。
主な功績
- 20世紀を代表するメンタリストの一人とされる
- ラジオとテレビでマジックを演じた先駆者の一人である
- 霊媒の詐術を追及し、心霊現象とされるものはすべて手法によって再現できると主張した
「驚異のダニンジャー」
ダニンジャーは1892年4月28日に生まれ、1975年3月9日に世を去った。「The Amazing Dunninger(驚異のダニンジャー)」と呼ばれ、20世紀を代表するメンタリストの一人とされている。
メンタリズムとは、心を読む、考えを当てる、予言するといった演目の総称である。カードもコインも鳩も使わない。材料は言葉と、観客そのものである。
ラジオという難題
ダニンジャーの特異なところは、ラジオとテレビでマジックを演じた先駆者だったことである。
ラジオでマジックを演じるというのは、常識的に考えれば無理がある。手の技術は見えない。鳩を出しても伝わらない。カードが変わっても分からない。映像のない媒体で、視覚の芸をどう成立させるか。
ここでメンタリズムが効いてくる。心を読む芸は、そもそも見るものではない。演者が言い当てて、当てられた側が驚く。 その一往復は、音声だけで完全に伝わる。
彼はラジオという制約を、自分の芸に合う条件として使った。テレビが普及すると、そこにも早くから進出している。デル・オデルが1951年にロサンゼルスで番組を持ったのと同じ時期、彼もまた新しい媒体を掴んでいた。
霊媒の詐術を追及する
そしてダニンジャーには、もうひとつの顔がある。
彼は霊媒の詐術を追及する活動を続けた。心霊現象とされるものはすべて、手法によって再現できると主張していた。
この立場は、彼の芸と表裏一体である。心を読んでみせる演者が「これは芸である」と言い切り、そのうえで「霊が読んでいるのではない」と示す。マジシャンが超自然の主張に対峙するという伝統の、20世紀半ばにおける担い手だった。
マスケリンが1865年にダヴェンポート兄弟を舞台上で暴き、フーディーニが1920年代にマージェリーと対決し、ダニンジャーがラジオとテレビの時代にそれを引き継ぎ、そしてペン&テラーが現在まで続けている。150年以上、途切れていない。
名鑑のなかで
ダニンジャーは、この名鑑ではやや珍しい位置にいる。
大劇場を満員にしたわけでも、貨車8両で全米を回ったわけでもない。彼が使ったのは電波だった。姿を見せずに、声だけで不思議を届けた演者である。
マジックが媒体を変えながら生き延びてきた歴史のなかで、彼はラジオという一区間を担当した。
代表的な演目・著作
- ラジオ番組でのメンタリズムの実演
- 霊媒の詐術の追及
年表
確認できた年のみを記載しています。
- 1892 4月28日、生まれる
- 1975 3月9日、死去
親子で観るときの注目ポイント
- メンタリズムは道具がほとんど要りません。何を材料にしているのかを考えながら観てみてください
- 音声だけで不思議を伝えるにはどうするか、想像してみると演出の工夫が見えてきます
- 親子で話すなら「心が読めるってどういうことだろう」というテーマが合います
このサイトでは種明かしをしません
マジックのタネや仕掛けの解説は一切掲載していません。知らないまま驚けることこそが、この芸のいちばんの価値だと考えているからです。
公式リンク
出典
このページの生没年と実績は、以下の資料で確認しています。
- Joseph Dunninger Wikipedia(英語版)
- Joseph Dunninger Lybrary.com